世田谷区寺院墓地にて、サビが出てしまったお墓の建て替え工事
ご覧いただきありがとうございます。東京都内のお墓専門店、協和石材工業所の笹本です。世田谷区のお寺様墓地にて、サビが出てしまったお墓の建て替え工事をさせていただきましたのでご紹介いたします。
世田谷区寺院墓地 お墓の建て替え
今回のお客様は、1年ほど前に初めてご相談をいただいていました。お墓についてお悩みがあるとのことで、お彼岸のお参りの際に寄って下さったようです。
こちらがご相談のお墓です。石塔部分は茨城県産の稲田石で建てられたお墓で、納骨スペースである土台部分や塔婆立は福島県産の白河石で作られています。石塔の一番上と二番目は、全体的に茶色いシミのようなものがついています。これをクリーニングや洗浄でなんとかきれいにできないかな?というご相談でした。
茶色く見えるのは、水垢や苔などの汚れではなく、「サビ」と呼ばれるものです。サビは、もともと石が含んでいた鉄分が経年で内側から噴き出しているもので、残念ながらお掃除できれいにすることはできません。稲田石は国内で採れる良質の石ですが、数十年前は厳選されていない品質のものが出回っていたと聞いたこともあるので、もしかするとその時期に建てられたものだったのかもしれません。お客様には、石自体は悪くないこと、お掃除できれいにすることは難しいことをお伝えしました。
お墓をきれいにするには石塔部分を新しく建て替えることになることもお伝えすると、数か月ご家族でご検討され、やはりお墓を建て替えたいと再度ご相談にお越しになりました。当初は石塔のみを新しくする方向でお話していましたが、せっかく建て替えるのなら土台部分も新しくしようということになり、石塔・土台のすべてを新規で建て替えることになりました。
工事が始まっています。まずはご法要の後ご遺骨を取り出して、お寺様にお預かりいただきました。お墓を解体して更地に戻したあと、新しいお墓の基礎工事から開始です。写真は、基礎コンクリートまで施工したところです。真ん中の四角い部分は、納骨スペースの真下にあたる箇所で、ご遺骨を土に還すことができる土残しの場所です。ここはコンクリートを打たずに土のまま仕上げます。
基礎の上に土台から据えていき、石碑や塔婆立などすべて設置したら完成です!
総御影石製の丈夫できれいなお墓です。イメージは以前のお墓に近いスッキリとした和型となっています。
石塔正面の文字は「南無妙法蓮華経」のお題目が彫刻されています。お客様のご希望で、以前のお墓の正面文字の拓本をとって新しい棹石にも彫刻しました。右側面には亡くなられた方のお名前を彫刻しています。
お墓に使用した石は、数種類のサンプルをご覧いただいた中からお施主様のお母様が「これがいい」とお選びになった、中国産の青御影石です。落ち着いた色合いですっきりした印象に仕上がっています。石塔と土台の両方を同じ石で製作しています。
家名は棹石の下の上台前面、家紋は水鉢前面に入れました。後方にはたくさんの塔婆を立てられる塔婆立てを設置しています。土台の納骨室部分は、お隣と高さを合わせて設計しました。内部のスペースも以前より広く確保できました。
完成したお墓をご覧になったお客様は、「立派すぎる!」と少しびっくりされながらもとても喜んでくださっていました^^ 花立は落とし込み式でステンレス製の花筒を入れたので、これまでよりもたくさんのお花を供えることができて、入れられる水の量も増えたのでお花が長持ちしますし、香炉も屋根があるので雨の日などでも火を絶やさずにお参りができるようになっています。見た目がきれいになって喜んでいただけただけでなく、これから快適にお参りいただけるようになったのもとても嬉しいです^^ 何かお困りの際には、お気軽にお声かけくださいね。
今回は、サビにお悩みのお墓の建て替え工事でした。お墓のサビはそれほど多くいただくご相談ではありませんが、石は天然のものなので、サビが出てしまうことは時々あります。ただ、これほどサビが出てしまったお墓、しかも良質な石として知られる稲田石のここまでのサビを見たのは初めてでした。サビには大きくは2通りあり、今回のような内側から噴き出してしまったものは取り除くことはできませんが、外から付着したようなサビであれば、場合によってはクリーニングなどである程度きれいにすることも可能です。どうしても取りきれない汚れがあって気になるという場合は、もしかするとサビの可能性もあるかもしれません。気になる場合は一度ご相談ください。
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